a-dollのブログ

忘れたくない日々のあれこれの記録

古い写真


昨日、一番上の姉がアルバムを持って来た。
中にセピア色をした古い家族の写真があって、多分戦後すぐのお正月に撮ったようで、全員平和な顔をしている。
当時は皆に焼き増しなどは思いつかなかったようで、私はその写真を持っていない。
皆も同じで是非欲しいというので、姉からアルバムを借りて来て、スキャナーで読み込んで沢山プリントした。
これは写真屋さんが来て撮ったのではなく、兄のカメラで撮ったものと思う。
すごく面白い。
祖母をまん中に後列は両親が居て、前列に6人の兄妹が並んで座っている。
兄は久留米がすりのお対、姉はさざえさんのヘヤースタイルで銘仙の着物姿。下駄に色足袋をはいている。
残りの4人姉妹は皆ワンピース。私と妹は髪に派手なリボンを付けて、私は多分ベージュと白のチェックのワンピースで小鳥のブローチとネックレス。木綿の長靴下、毛糸のソックス。妹は緑のビロードのワンピースでこれは私のお下がりなのだ。私と妹はわかめちゃんカット、姉二人は髪は横分け、ストッキングだけでソックスはなし。4人ともお行儀良く両手を揃えてむちゃくちゃ可愛い。お澄まし顔で笑っている。
食料が無いなりに父が調達して来たお餅をお腹一杯食べて幸せだったのだろう。
暖かいお天気の日だったようで、縁側の硝子戸を開け放して座っているのだ。
洋服は母がやりくりして可愛い服を着ているのだが、足下を見ると少々哀れだ。革靴のようだけど履き古した感じのくつを履いているのだ。戦後は靴も配給だったし、どこにも売ってなかったのだ。
ところで、この写真は誰がシャッターを切ったのか?
当時居たお手伝いさんか?
それは違う。
三脚を立てて自動シャッターにして写したのに違いが無い。
兄は右端で腕組みをし片足は敷石の上で、今走って来て座ったという感じで、私達は必死でシャッターが落ちるのを真剣にしかも楽しく見つめているように思えるのだが。