a-dollのブログ

忘れたくない日々のあれこれの記録

懐かしい中庭

H子姉ちゃんがコメントをくれて、改めて子供の頃の中庭が懐かしく思い出された。
門を入ると左が玄関、右に行くと板塀で仕切ってあって、木戸を開けると中庭だ。20坪程の広さだったか。茶の間にすぐ上がれる小玄関が有って私達はここを出入りしていた。学校から帰ると、この玄関をガラッと開けて、「ただいま。」と言うのである。
因みに、父と兄は表玄関を出入りしていた。
この庭は、いわば生活のための庭で、洗濯物を干す場所、雨の日の後ゴム長靴を干すところ、着物を解いて洗い張りをしたり、しんしばりをするところ、犬小屋の有るところだった。井戸水の鉄分を濾過するための櫓が組んであったので、洗濯等はその下でタライを置いてしたように思う。突き当たりの左手にお勝手、魚やさんは勝手口から出入りして、中の土間で注文を受けた魚を下ろしたりしていた。
お勝手に入る手前にはお風呂の焚き口が有った。お風呂を沸かすために薪を放り込むのも子供の仕事だった。
夕方にはカンテキ(七輪)の火を熾したり、魚を焼いたり。
中庭で妹と私はママゴトをした。ゴザを広げてママゴト道具を広げて、庭の花を摘んで刻んで遊んだ。時には、門を出てお隣の家の生け垣沿いに咲いていた爪切り草を摘んで、色水を作って遊んだ。
ゆったり流れる子供の時間。お片付けさへきちんとすれば、いつまで遊んでいても誰にも叱られることはなかった。
春には山吹やシャガ、夏はオシロイバナ、秋は紫苑や鶏頭の花が咲いていた。放っておいても良く咲く実用的な花ばかり。
地震のとき裸で立っていた台は何だったのだろう。スノコが敷いてあったような記憶も有るが。
なんとも懐かしい庭なのだ。