a-dollのブログ

忘れたくない日々のあれこれの記録

春眠暁を覚えず

a-doll2008-03-27

昨日は長い昼寝を貪ったのに、夜は夜で熟睡して気持ちのよい目覚めだった。
この季節、ある朝ベッドで目を覚ましたら、思わず “春眠曉を覚えず 處處啼鳥を聞く 夜来風雨の聲 花落ちること知る多少”と言う、孟浩然の詩が頭の中を駆け巡る。
気温が上がったことで明るくなるまで目覚めることなく熟睡出来て、外には雀の囀る声が聞こえて、春なのだなあ、と布団の中で思わず「うーん」と伸びをしたくなるような嬉しい気持ちが沸いて来る。
この詩は、中学校に入学して間もなく漢文の先生が教えて下さった。戦後新しく教育制度が出来て、私は出来たばかりの教育大学の附属中学校に入学したら、出来たばかりの学校は先生が足らず、大学の先生が出張して教えて下さっていた。
校舎も大学の1部を借りていたし、運動場も、体育館も大学のを使っていた。
だから漢文の先生は、中学生には勿体ない程専門的で、漢詩を中国読みで抑揚を付けて朗読して下さった。
そのかん高い声と抑揚が可笑しいと、悪童どもは笑い転げたものだった。
でも先生は全く動じること無く、朗々と何度も読んで下さったので、頭に焼き付いてしまった。
先生の名前も顔も覚えていないが、始めて出会って覚えた漢詩、今でも毎年春の或る朝、突然頭の中を孟浩然さんが「春だよ〜」と駆け巡ってくれるのである。
写真は今年も咲いた桃の花。