a-dollのブログ

忘れたくない日々のあれこれの記録

よしのさんのこと

a-doll2008-04-29

今日はM子姉が良く似ているという私達の母方の祖母よしのさんについて。
よしのさんは1864年生まれの子年。娘2人を産んだ。
姉娘に養子さんを取って家を継いだもらった。
しかし、姉娘初子は薄幸の人で一人娘を早くに亡くし、自分もまた若く亡くなってしまった。娘に死に別れたよしのさんは、残されたお婿さん(実は私の父の兄)との同居は居ずらくなってしまったのだ。その上お婿さんはしばらくして再婚をしてしまった!(相手は通称おえちゃん)
行く場所の無くなってしまった哀れなよしのさん。
そこに妹娘の夫である優しい私の父が救いの手を差し伸べて、私たちの父母の家に来たのだった。
子供に手が掛かるからその世話も手伝ってもらえるし母は嬉しかったとことと思う。
中でも2番目に産まれた長男(私の兄)を溺愛した。産まれたのが節分で極寒の日。母は難産だったらしい。その頃は家で出産し産婆さんが取り上げた。よしのさんは井戸端で水垢離をして無事に産まれる様に必死で祈ったのだ。その甲斐あってようやく玉のような男の子、待望の跡取りが誕生したのだった。
兄がよく言っていたが、かなり大きくなっていた或る日、よしのさんは学校の帰りが遅いと心配をして途中まで迎えに行った。
真っ暗な道の途中でしゃがんで待っていて、兄が帰って来たのを見て嬉しさのあまり懐中電灯をパッと照らしたので、兄は尻餅をつかんばかりにびっくりしたそうだ。
私達には優しいお祖母ちゃんだったが、我がままな人だから母と良く言い合いをしていたし何度も家出をした。家出の常習犯だ。
M子姉とは共通点が多いが、この2人がすこぶる仲が悪い祖母と孫だったのである。
小さく縮んでしまっていたけれど、幸せな晩年だったから、M子姉もきっと気楽な晩年を送ることだろうと思う。