a-dollのブログ

忘れたくない日々のあれこれの記録

終戦の日の思い出

今日8月15日は終戦記念日
昭和45年のこの日、馬鹿な戦争を始めた所為で、日本中の人々が多かれ少なかれ巻き込まれて、家族を失ったり家屋や財産を失ない、希望の無い絶望の日々を過ごしていた。
幸い私の家族は、全員欠ける事無く終戦の日を迎えた。
午後、登校したら、担任のH田先生(今もご健在)が泣いてはった。「くやしいわ、負けてしまって、皆の努力が不足していたのね、日露戦争のときは朝早くから皆で神社に祈願しに行ったのに、今回はしなかったのよ。」とおいおいと泣いたはった。
私は戦争が終わってほっとしていたので「そんなことで負けたんと違うわ。何も泣かんでも…」と思っていた。
3年生の1学期は何を間違ったのか、級長を仰せつかっていて、軍事教育の最中の級長というのは、私には任が重すぎてとても辛く、私は登校拒否をする日々だったのである。
だから開放感があって嬉しかった。
夫の家族のこの日の過ごし方は凄い。聞いた所に寄ると、放送を聞いた後、家族でバンザイを叫んだのだそうだ。「もう空襲の心配は無いから、お墓参りに行こう」とバケツを下げてお寺へ出掛けたという。大阪市内にあるお寺は丸焼け。焼け残った山門と墓石だけが建っていたのである。
住んでいる家は、焼け落ちた家も近所でたくさん有る中、奇跡的に焼け残った。
非国民のA家は戦争中の貴金属や金物の供出も、少ししか出さなかったそうである。日本人としては珍しいタイプの人々と思う。
昨日映画『太陽』を観た。
ロシア、フランス、イタリア、スイス合作映画で、監督はアレキサンドル・ソクーロフ
終戦前後の、昭和天皇を描いた映画で、天皇ヒロヒトを尾形イッセイが演じている。
天皇を現人神と祭り上げ利用した軍部。天皇は生物の研究が好きな普通の人間であった。マッカーサーとの会見で現人神から解放されて、嬉しそうな様子が印象的だ。
少しコミカルに描かれた侍従との様子や、チック症的な口の動かし方を誇張して描いているが、教養が有って優しくて、人間としての人柄の魅力を良く表していた。
日本人が崇めて来た天皇も、アメリカ兵から見ればチャップリンに似た男としか見えなかったようである。
皇后陛下の役は桃井かおり。穏やかで優しく天皇を慕っている様子がほっとする。