a-dollのブログ

忘れたくない日々のあれこれの記録

食べ初めの日

朝から降り続く雨。秋の雨はメランコリックになる。
夫の病状は大して進歩せず、筋肉が落ちて来るのを見るのは悲しい。
夫の夏物の衣類を整理する。新しい服を買うのが好きな夫は、沢山のシャツやズボンを持っている。ちょっとくたびれたのは処分する事にしてポケットを探ると、小銭が沢山見つかる。「ありがとう」と言って頂いておく。
午後雨の中、N川さんが来てくれて3人で病院へ。
試しに、ゼリーを食べてみましょうと言われ、慎重に一匙のゼリーを口に入れて貰った。林檎味である。「飲み込んで下さいね」と言われしばらくもぐもぐして居たが「ごっくん」と喉を通った。45日ぶりで、喉を食物が通ったのである。
皆で拍手。次の一匙は口を開けて待っていた。食べる事を思い出したようだった。左手にスプーンを持たせてもらったら、じっと眺めていた。
三匙目を食べた後、唇をちょっと舐めた。美味しいと感じたようである。主任の看護士さんもびっくりしていた。
明日からまた食べる練習をしましょう。という事で『よだれかけ』と『マイスプーン』を準備することになった。
口から食べるようになると頭もはっきりしてくるらしい。少し希望が沸いて来て、帰りはまだ雨が残っていたが少し嬉しい気分だった。