a-dollのブログ

忘れたくない日々のあれこれの記録

字を書く練習

H子姉から電話。時々電話で容態を聞いてくれるのだが、今朝はブログを読んで最近の様子が解ってくれた上での電話だった。
Sakuraちゃんにブログの見方を教えてもらったという。来週からパソコン教室にも通うらしくて、いよいよパソコンを自分の物にする日が近づいて来た。
話の中で、昨日の朝日新聞に姉の事が取り上げられたのだと言った。
特集記事『人生のエンディング・終末医療』の中に、兵庫県の女性(75)が、夫の延命治療を断った話が載った。姉のことである。
「苦しめないで良かったと自分に言い聞かせつつ、命を縮めてしまったのではないか、と今も夫に謝り続けている、と涙声で語った」とある。
この記事に載せて貰ったお陰で、少し自分が楽になった。と姉は言ったがやっぱり涙声だった。
昨日私は「H子姉ちゃんと同じ人が居たはるわ」と思って読んだので、今朝もう一度読み直したら泣いてしまった。

さて今日の夫はご機嫌さんだった。
やさしい看護士さんKさんが担当で、ゼリーはぺろっと食べたらしい。車椅子に座って左手にペンを持たして「字を書いてみて」と促している。
「上手に書けるようになったら、短冊に俳句を書いてプレゼントしてね」と可愛い事を言ってくれた。
普段から右手でも筆圧が無く、筆ペンを愛用して書いていたので、左手では全く書けない。私が無理に手を添えて『雲舟』と書かせたら、変な字になったので大笑いしたら、彼も嬉しそうに笑った。
食堂の大きな窓の傍に車椅子を停車して、再び字を書く練習をする。2Bの鉛筆が有ったので使う。ふにゃふにゃの字(もどき)が書けた。蚯蚓よりもっとはかなげなものが這った後の様な字。それでも書けたから嬉しそうである。
明日は筆ペンを持って行こうと思う。その後も俳句誌を熱心に眺めていた。