a-dollのブログ

忘れたくない日々のあれこれの記録

山中温泉

山中温泉は懐かしい。遥か昔に父に3姉妹で連れてもらった温泉である。両親の出身地である金澤にある先祖の墓に始めて連れてもらったときに寄った。
渓流に沿って老舗の旅館が沢山建っていて、散策路もある。
温泉は良質で柔らかく、満足出来る良いお風呂だった。
洗練された食器に盛られた料理も、食にうるさい私達大阪人の舌を満足させるに充分だった。

私達高校の友達は今まで良く旅行して来たが、この所I橋さんがお母様の看護と逝去で出られず、そのあと私が夫の事でこの3年程は無理だったので、皆待たした上での久しぶりの旅行だった。
72歳の長い人生の間、それぞれ大変な修羅場もくぐって来ている。その全てをお互いに知り尽くして理解し合って支え合って来た仲間なのだ。

面白いのは名前の呼び方。全員いまだに旧姓のままだ。
私は「Mもっさん」未亡人歴が一番長い「Oじまさん」ずっと独身で通した我がままな「Iばっさん」呉服屋のとうさんで今は超リッチな未亡人「Fたはん」学年1番の美人で資産家のいとさんだった「Nむらさん」ご主人と別れた後キャリアウーマンで通した「Kしたさん」。
長い付き合いである。
価値観が同じと言う付合いやすさがある。

さて、今回の一泊旅行にはもう一人参加者が増えた。
唯一の男性で、早くに奥さまを亡くして今は気楽なご隠居さんS君である。
陽気でおしゃべりで気が利く彼は能天気な私達に多いに役立つ。写真を撮ってくれるし会計もやってくれるし何かと便利。自分の男性の仲良し達に内緒で私達にくっついて来た。
「僕一人入れてもろて、あいつらにばれたらえらいこっちゃ」と言っているが、おしゃべりの彼の事だからばれるのは時間の問題で、それを楽しんでいる風なので可笑しい。

翌日は金澤に出た。何度も来ているので観光地は避けて近江町の市場へ歩いて行く。
魚が新鮮で加賀野菜も珍しく、買物を楽しんだ。
たった一晩だったけれどとても楽しめた。でもくたびれて帰る。やっぱり年やなあ。
「1年に1ぺんはやろな」と約束する。