a-dollのブログ

忘れたくない日々のあれこれの記録

映画2本

寒いし、少し喉が痛い。
明け方見た夢は、発声練習をしている夢で、何故かドの音が出ない。
ヒーという感じで無理に歌いながら、なんで出えへんのやろ?と哀しくなっている夢で、目が覚めたら猛烈に喉が痛かった。
どこにも行かずに炬燵に入って映画三昧の一日を過ごした。

マーラー 君に捧げるアダージョ
グスタフ・マーラーの年若い妻アルマが、不倫をした。
アルマはマーラーを愛し尊敬しているが、マーラーは大物作曲家に違わず、自分勝手で妻を顧みない。
アルマには作曲の才能も有るのに、禁じてしまっている。
最愛の長女を亡くし、不倫に走った妻。
マーラーフロイトに相談をし、アドバイスを受ける。
フロイトに打ち明ける話が物語の進行になっている。
フロイト役が、REXのとぼけた刑事シュトッキンガーを演じたカールマルコビクス。良い俳優である。

アルマ役の女優は上手いが、私の抱いているアルマ像とかけ離れていて少し残念である。
アルマは、社交界の花で、魅力的な女性で、マーラーの死後も浮き名を流している。世紀末の画家、ココシュカやクリムト、建築家や音楽家と奔放な女なのである。
それは兎も角、世紀末のウィーンが美しい良い映画だ。
お正月からずっと、マーラーを聴いていたので今の私の気持にぴった重なった。

「ナンネル・モーツアルト 悲しみの旅路」
音楽映画が続く。
雪の風景。寒そうに馬車で旅を続けるモーツアルト一家。
厳格な父レオポルド、優しい母(儚げな雰囲気が素晴らしい)ナンネルと幼いモーツアルト
幼いモーツアルトを、神童として売り出そうとザルツブルグを出て来るのだが、旅は過酷だ。
対照的に豪華絢爛のフランス宮廷。
モーツアルトのヴァイオリンとナンネルのハープシコードの演奏は愛らしくて素晴らしい。
15才のナンネルは、女性だという理由で、父に作曲もヴァイオリンを弾く事も禁じられている。弟が如何に神童とは言え、その陰で自分の才能を犠牲にして我慢を強いられている痛々しい少女として画かれている。

天才作曲家の夫の陰で、弟の陰で、抑圧されていた女性たち。美しくも哀れな映画を2本見た。