a-dollのブログ

忘れたくない日々のあれこれの記録

[「宮廷画家ゴヤは見た」

スペインの宮廷画家ゴヤは、肖像画家として生活をしているが、一方、乱れた世の中を皮肉な目で見て、独特の風刺画の銅版画を多く残している。
カルロス四世の家族の絵は有名だが、カルロス王も王妃も、本人より醜く画いている。
良く怒りはれへんかったと思う。
物語は、アトリエで、豊かな商人の美しい娘イネス(ナタリー・ポートマン)の肖像画を描いているところから始まる。
修道僧ロレンゾも肖像画を描いてもらっているが、面白いのは手を画くと値段が上がる。両手だとその倍。
ロレンゾはマントの中に両手を入れてしまう。
その頃教会では異教徒を探し出し、異端審問に掛けた。
イネスは、ある食堂で、豚肉を食べなかったという理由だけでしょっぴかれ、拷問にかけられ、無理にユダヤ人だと自白させられる。
ゴヤは、イネスの父に頼まれて、ロレンゾを通じてイネスを救おうと奔走するが、大金だけ取られて、結局イネスは牢から出してもらえない。その頃からゴヤは聴力を失う。
やがて時が流れ、1807年フランス軍が侵攻して来た。
イネスは釈放をされるが、親は既に殺され、町は混乱している。
このひどい状況を画いたゴヤの版画が多く存在する。
ナタリー・ポートマンは2役で、イネスの娘も演じる。
イネスが釈放された時は、ひどい風貌ですごい迫力が有る。哀れさが良く出ている。
初めから終わりまで、沢山のゴヤの絵が使われていた。
終盤は「黒い絵」を多く使用し、スペイン内乱の状況を良く現している。
登場人物の服装はゴヤの絵から抜け出た様で面白かった。
宮廷画家ゴヤは見た [DVD]