a-dollのブログ

忘れたくない日々のあれこれの記録

「レ・ミゼラブル」

暖かいし難波に出かけるついでに映画館に入った。
10才の頃、子ども向けに書かれた「ああ無情」が印象的で何度も読んだから、物語の筋は詳しく知っている。
ジャンバルジャンが、姉の子どもに食べさせようとパン屋の店先から盗んだたった1個のパンのために19年も牢獄に入っていた。4度も脱獄をしたから。
何と気の毒な、と子供心にいたく同情したものである。
当時、兄が19才だったので、赤ちゃんがあんなに大きくなるぐらいの年月を捕われてたなんて・・・と本当に同情して肩入れしてしまった。
映画の冒頭、大勢の囚人が波しぶきを浴び、大きな難破船をロープで引っ張るシーンは迫力がある。やはりDVDを家のテレビで観るのとは感動の大きさが違うわ・・と今更思いつつ楽しんだ。
ヴィクトル・ユーゴーの原作のミュージカル仕立てなのだが、ミリエル司教に銀の燭台を手渡されたときから、本当の愛を知った一人の強い男の信仰の証しの物語である。
哀れな女に託されて、可愛がっていたコゼットの恋人マリウスの身を案じて心から祈る場面は素晴らしかった。
本当は嫉妬心一杯だったのに。ヒュー・ジャックマンジャンバルジャンは歌も見事だった。
ジャベール警視(ラッセルクロウ)は損な役回り。法を守り抜くのが使命とばかりジャンバルジャンを冷酷に執拗に追いつめる。
彼は本当の愛を知らない最後まで気の毒な男だった。
パリの下水を逃げる場面はリアルで気持ち悪くなる。テナルディエ夫婦はコミカルに描かれている。
とにかく面白い映画で満足して帰宅した。レ・ミゼラブル~サウンドトラック