雨の中を歩いて、1時に始まるコーラスの練習に間に合った。
いつも3時なのに、今日から1時に始まるのである。
お昼寝の時間にとことこ歩いて公民館へ着いて座って練習が始まる。
歩いてきた分体が温まって、だんだん眠くなってトロンとしてくる。
しかし、先生は眠らせてはくださらない。
今練習をしているのは、中田喜直作曲の女声合唱組曲「蝶」の中の「灰色の雨」。
中田喜直さんて「ちいさい秋みつけた」や「めだかの学校は〜」なんかの優しい作曲家と思われているが、どうしてどうして美しいけれど難しい曲を作る人で、女声合唱の組曲は難解なのである。
「美しい訣れの朝」もそうだし。
作詩は伊藤海彦。
誕生、飛翔、灰色の雨、越冬、よみがえる光の5曲からなる。
「灰色の雨」は蝶の試練の場面。
秋の終わりの嵐に打たれて傷んだ翅をすぼめながら嵐の過ぎるのを耐えて待つ・・・という歌詞。
この曲は4拍子と3拍子が代わる代わる出てくる。
私たち日本人は3拍子が苦手でうまく表現できない。
いち、にい、の、さん。の4拍子に親しみ慣れている。
ワンツースリーの軽やかなリズムに乗り切れない。
目を白黒させながら必死にリズムに乗ろうとしているうちに眠気は吹っ飛んだ。