a-dollのブログ

忘れたくない日々のあれこれの記録

甘やかされた私

台風が日本海を進んでいる。

雨はあまり降らなかったけれど、私の周りはどよよ~んと低気圧が漂っている。

朝から頑張って美容院に行ってきた。

午後は起きていられなくて、風の音を聞きながらベッドで寝てしまった。

 

私のお父さん(1)

私は父に叱られたことが一度もない。

50年以上関わっていた長い父娘の関係だったけれど。

良くドラマなんかに出てくるような大きな怒鳴り声を頭から浴びせられたことは勿論、ねちねちと小言を言われたこともない。

反抗できないような無言の圧力みたいなものは有ったにせよ、父はいつも私の味方で優しかった。

 

卓袱台を囲んでの朝食時。

私は小学生。

父は朝ごはんを食べながら私の顔をじっと見て、手を握って「お母さん、K子さん(私)熱が有るのとちがうか?」と母に問う。

母が来ておでこを私のおでこにくっつけて「ちょっと熱があるみたいやな・・・」

父は「学校を休ませなさい!」と厳然という。

私は「やった~」

 

皆が出かけた静かな座敷にまた布団を敷いて貰って私は寝る。

私は弱くて良く病気をしたのだった。

医者が往診に来て薬を飲んで大人しく寝ている。

まあ大抵は次の日は治っているけれど、私は父に「今日もしんどい」と訴える。

父は「今日も学校休ませなさい」と母にいう。

私は布団に寝て読書^ ^。

 

妹が幼稚園か学校から帰ってくると二人で遊ぶ。

きゃっきゃっとふざけていたら、お医者様の往診だ。

慌てて布団に潜り込む。いつものパターン。

父が甘やかしたから学校の欠席が多く大成しなかったのかも分からない。

この年になっても、しんどくて出かけたくない時、お父さんやったら休みなさいと言ってくれるやろな・・・と思ってサボる節がある。

 

「本を買って欲しい」とねだると必ず聞いてくれた。

その代わり、日曜日に電車に乗って父のお供をしなくてはならない。

父は散髪屋さんに行くのだった。

家の近くにも散髪屋さんがあったのに、父なりにこだわりがあったようだ。

もう今は無くなっているけれど「あべのハルカス(昔は近鉄百貨店が建っていた)」のすぐ南にあった散髪屋さん。

私は椅子に座ってじっと終わるのを待っていた。

散髪屋のおじさんは丁寧に丁寧に父の髪を撫で付ける。

父は割に早くから髪が少なくなって切るほどの量はないと子供の目にも思えたけど、散髪屋の小父さんは整髪料をつけて撫でつけているのだ。

長~い時間だった。

でも私は足をぶらんぶらんさせながら待つのだった。

終わったら隣のユーゴ書店に行って本を買ってもらえるから。

つづく。