老後に備えてお引越し。
今もうすでに老後やないの、と言うなかれ。
いよいよ本当の老人・・・うむ・・・なんて言ったら良いかな。
例えば、歩けなくなって階段の上り下りが困難になった時、庭の草抜きも出来なくなって、家事も出来なくなって、外出もままならなくなった時、誰かヘルパーさんが必要になった時、といえば良いかな。
私の仕事部屋は2階の一番暖かい良い場所にある。
そこに電気釜を据えて、窓際のテーブルで粘土を捏ねて人形を作っていた。
作業机の横に作り付けの本棚がある。
この本棚には好きな絵本とか写真集とか美術全集が入っている。
作業の合間にページを捲ったりするのに便利だった。
以前は一日中この部屋に籠って人形を製作しているか、洋服を仕立てているか、ドールハウスを作っていた。
FM放送を聞いたり、英会話のテープを聞いたり、コーラスの練習テープを聞いたり全てこの部屋で過ごしていた。
インターフォンの子機や電話も置いていたし。
夫がいる頃は、夫が1階でテレビを見たり俳句をひねったり、誰かと電話で喋ったりしていた。
「**さん来はったで〜」と夫が叫んだら、階段をトントンと降りて玄関に出る事もできた。
だいたい夫は外出好きだから殆ど家に居なかったけれど。
7年前に目を患って、これらの事が全て出来なくなった。
もう、この部屋で作業をする事はない。
2階に上がる事も少なくなった。
今日は本棚に入っている美術全集を階下に持って降りた。
寝室に置いてベッドに居てもページを捲れるようにって考えなのだ。
本は吟味して処分し、好きなのだけ手元に置こうと考えている。
2冊づつ抱えて降りるのを数回繰り返したが、これだけでくたびれた。
1冊づつページをめくって見るのだから時間のかかる事・・・。
映画も見ず昼寝も出来なかった。
この調子で本棚の中身の断捨離が終わる頃、本当の老後が来ているに違いない。
お天気が良くて暖かい立春。
庭で可愛い実を発見。
銀木犀の実が沢山なっている。
毎年余り見ないのだけど。