a-dollのブログ

忘れたくない日々のあれこれの記録

お櫃を買う

a-doll2006-07-31

最近おひつを買った。小さくて可愛いのだ。
圧力釜で炊いた玄米ご飯をおひつに入れておくと、べたつかないでとても良い。
おひつを使わなくなって何年が経っただろう。
50年近く前、結婚した時は持っていなかった。炊飯器はまだ無かったから、小さな鋳物のお鍋で炊いていたと思う。電子レンジも無いから、冷えたら蒸し器で蒸していた。
夏場はどうしていたかというと、冷蔵庫も上の段に、大きな氷を入れて冷やす形だったから、勿論冷凍は出来ない。梅干しを入れたり、少々むっとした匂いがしても、我慢して食べた。それでお腹を壊した記憶は無いし、兎に角ご飯を捨てたりしたら、「勿体のうて罰が当たって目が潰れまっせ』と言われた時代だから。
子供の頃は大家族だったから、大きな釜に沢山の量のご飯を炊いた。台所の隅のへっついさん(かまど)で薪で炊くのだ。始めちょろちょろ中ぱっぱというのはこの時使う。
炊きあがると充分蒸らしてから、これも大きなおひつに移す。お釜から直接よそう事は決してしない。おひつに移すのもちょっとしたこつが要る。夕飯の支度のお手伝いの一つだった。
右手に大きなしゃもじ、左手に普通のしゃもじを持ち、炊きたて熱々のご飯を大きい方でごそっと掬って、左を添えこぼれない様にすばやく移す。
こぼしたりしたら、「どんな(どんくさい)子オや」と母に言われる。
お釜の底にはおこげが有った。塩結びにして貰って食べるのは最高だった。
お釜やおひつを洗った時に出る米粒も決して捨てない。ざるに揚げてカラカラに干したのを貯めてから、甘辛く煎り付けておやつとなったのである。
おひつを買ったら、大きなおひつが懐かしく思い出された。
マクロビにしてから、何か半世紀昔の生活に戻ったみたいだ。