a-dollのブログ

忘れたくない日々のあれこれの記録

今週の映画

今週見た映画は、ルキーノ・ビスコンティ特集。『夏の嵐』『白夜』『ルードヴィッヒ』。
この中、『白夜』は初めて見た。マルチェロ・マストロヤンニ、マリア・シェル、ジャン・マレーの豪華キャスト。ドストエフスキーの原作をイタリアの港町を舞台にした映画。
主人公ナタリアを演じるマリア・シェルが愛らしい。ナタリアは下宿人(ジャン・マレー)と結婚を約束していて橋の上で彼を待っているが、来ないので泣いている。そこに来合わせたマルコ(マストロヤンニ)が一目でナタリアに恋をしてしまう。マルコも純情な青年なのだ。下宿人の男を諦めかけたナタリアだったが・・・。
モノクロ映画だけど、幻想的で美しい。ジャン・マレーは流石すごみの有る男前だなあと思った。
『ルードヴィッヒ」は長い映画だ。レーザーディスクで持っていて何度も見たが、ちょっとだけと思って見たら最後まで見てしまった。最初の辺りで、青年王ルードヴィッヒと従姉エリザベトが会っている場面は、シューマン子供の情景が流れていてとても美しい。ワーグナーとコジマが彼を崩壊への道を歩ませて行く。シルヴァーナ・マンガーノのコジマはすごみの有る美しさ。
もしルードヴィッヒが権力の座についていなくて唯の貴族だったら、たいして問題なく優雅に生涯を過ごせたのではないかと思う。最後は哀れだ。
例え狂王だったとしても、美しいノイシュバンスタイン城を残し、観光客がわんさか来てお金を撒いて行くし、ワーグナーのオペラも素晴らしいし、バイエルンに取っては良い王様だったのじゃないかなと思う。
『白夜』は別として、ヴィスコンティー好みの豪華な凝った貴族の屋敷や着飾った貴婦人ばっかり見ていると、ちょっとお茶漬けでも食べたくなる気分になった。

写真はお皿の上で咲いたサフラン