今年も今日で終わり。
家の中をピシッと美しく整えて、お重も質素ながら彩りも考えて作った。
私の母は使用人や娘達を指揮して新年を迎える準備をきっちりした人だった。大晦日は忙しく立ち働き、その代わり元日は何もせず清らかにお祝いをするという習慣だった。
私が結婚した相手の家は、全く違って大晦日は掃除もせず、お正月用の食器を出したりして準備する訳でもなく、お店が閉まる頃に安くなった食料品を買い出しに行くのである。これには驚いた。その上元日の朝からお煮しめを炊く。改まった元日のお祝いのセレモニーをするわけでもなく、ただお雑煮を食べたりお酒を飲むだけだ。２日は年始客が来るので朝からばたばた大掃除する。だらしが無いと言うのか、個性的な生活習慣というのか、世間とは違ってマイペースな暮らしぶりに驚いたものだった。
長い年月が経って私の好きに生活している今、やはりいつの間にか母のしていた迎春準備をしているのである。
家風に染まらなかった悪い嫁なのである。
夫はというと、そんなことはどっちでも良いのであって、きちっとしたお正月を無理矢理やらされて、しゃあないなと言う感じかも知れない。
