a-dollのブログ

忘れたくない日々のあれこれの記録

50年前のワードローブ

今,アルバムの整理をしている。
戦後の子供から少女の頃の写真はお粗末なものが多いけれど、それでも当時の服装や状況を思い出すのに充分なものでとても懐かしい。
結婚が決まるまでの、日々お稽古ごとに通っていた頃着ていたのは、殆ど和服だ。
写真を撮る日は特別な日が多いので,和服を来ている写真が多いのは解るけれど、当時のワードローブを考えると圧倒的に和服が多い。
家には常に呉服屋が出入りして、次々に母は注文していた。結婚前の娘が沢山居て両親は大変な出費だっただろう。
幼い頃は既製品の洋服やお下がり(姉のお古)を着ていたが、洋裁学校に通う様になると,服は自分で作らないと増える事は無くなった。
今の様に良い既製の洋服は売ってなかったし,勿論ブランド品は全く無い。
服地を買うお金を親に貰って(私はどこにもお勤めしなかったから所得はゼロだった)せっせと縫ったのだった。
どこかに着ていく予定の服を仕立てているときなど、前日は夜更かしして必死に完成させたものだった。
だから,写真に写っている服は全部覚えている。
写真はまだ白黒の時代。それでも色も材質も全部見えて来る。
一生懸命に縫った記憶が写真に写っている。
和服の場合もどの訪問着も色彩が浮かんでくる。帯も全て、ついでに一緒に写っている姉の分も記憶に有る。
現代に比べて写真の量も圧倒的に少ない分,どれも貴重な写真なのだ。