年を取るとどうもせっかちになる。
せっかちの余り、我が夫は１日飛ばしてしまった。朝目覚めた段階で彼の頭は木曜日を飛ばして金曜日と思い込んでしまった。
だから、さっさと燃えるゴミを勝手口に出してしまったのだが（燃えるゴミは火曜日と金曜日。ちなみに彼は燃えるゴミ担当である、が時たま忘れる）。
朝食のときお互いに今日の予定を申告し合う習慣が有るが、夫は「今日は昼から町内の謡曲に行くから、午前中に散髪をしてきます」と言った。
「あれ？謡曲のお稽古今月は木曜にするの？」と私が聞いて、彼ははたと思い違いに気が付いた。勝手口からゴミの袋を引き上げて来て「かっこ悪る〜」といっている。
もし、思い違いなんかでなく本当に金曜日だったら、どうしてくれる？
木曜日は何処へ消えてしまったのか？私はコーラスに行かなかったから、友達は「Aさん、どうしたのやろ、連絡も無しで…」とか言っただろう。
生協さんは木曜日の夕方配達してくれるから、それを飛ばしたら、今週食べるものが無いじゃないか。
我が家だけ木曜日が無くなるなどとSFみたいな恐ろしい事言わないで欲しい。
寝とぼけと、セッカチがもたらした恐ろしい話。
という訳で、今日は私はちゃんと公民館に行って、図書館で本を借り、イタリア民謡を歌って、帰宅したら生協さんが配達に来てくれて、無事木曜日を過ごせたのである。夫は散髪だけ行って後はお留守番をした。
明日は本当の金曜日である。夫は燃えるゴミを捨てるのを多分忘れるだろう。
