a-dollのブログ

忘れたくない日々のあれこれの記録

友達の怒り

午後N川さんが来た。昨日第九の練習に行くのをサボったので見舞いに来てくれたのだ。
それだけでなく21日の夫のメモリアルデーを覚えてくれていて、シュークリームを持って来た。

窓辺のヒヤシンスは満開で重そう。春だ。5年前のこの素敵な季節の始まりに、夫は天国へ行ってしまった。
ふたりでシュークリームを頬ばりながら一杯しゃべって気分が晴れた。
古い友達なのでしゃべることは沢山あるけれど、話が朝ドラ「ごちそうさん」になると、えらい怒っている。夫婦で終戦後あんなに真っ白なご飯のおにぎりは食べられへんかった。おかしい。と怒りながら見ているのだそうだ。
夫婦で文句を言いつつドラマを見ている様子を想像して可笑しい。
このドラマが好きな私は、ドラマは予算が少ないから時代考証にお金かけられへんねんよ、と援護。
そして二人でひもじかったあの頃の具体的な食生活の思い出が始まった。配給の少ないお米をいかに増やして食べるか?
豆や芋や野菜で量を増やして雑炊にして形の有るお米は見られなかった。
N川さんとこは丹後で海が近いので雑炊にはわかめが入っていた・・・わかめだけでは子供の成長に役立たんわ。

わたしが腑に落ちんのは、衣装。め以子さんの真っ白な半襟。白の半襟や足袋はよそ行きと決まっていた。普段は汚れが目立たない色の着いたもの、また着物の衿も汚れないように手ぬぐいを掛けていた。人前に出る時ははずした。
今のように洗濯機も洗剤も無い、着物の丸洗い等も無い(着物はほどいて洗って伸子張で干して縫った)真っ白のものを普段には使えなかった。これについてはN川さんも今朝出て来た子供のエプロンも可笑しい。まっさらで折り目が着いていた。子供のエプロンも汚れてよだれが着いていても当たり前の時代や〜と怒った。電気も不自由しているのにアイロンかけられへんやん。

NHKさん、これほど視聴者は熱心に観ているのです。大変でしょうがこれからも出来るだけ時代考証に力を入れてね。
とにかく国民学校3年生で終戦を経験した子供に取って、ひもじかった頃のことは子供心に恨みも有って忘れられへんのやわ。