a-dollのブログ

忘れたくない日々のあれこれの記録

兄とのお別れ

風が強く寒い日になった。夜中珍しく目が覚めて眠れなかった。
電話があって兄が亡くなったと知った。
先月、父の法事で兄宅を訪れて食事した。その時にもらって帰ったカステラがまだ冷凍庫にあるのを見て、別れの悲しみが湧いてきた。
兄は88歳、もうすぐ誕生日だったのに・・・。
晩年あまり仲の良い兄妹ではなかったけれど、幼い頃は大好きなお兄ちゃんで、多くの影響を受けた。
絵が上手だった兄は世界の美術全集を買って本棚に並べてあった。一番よく絵を眺めたのは私だろう。ラファエロミケランジェロを知ったのもこの頃だった。
京都に下宿して家にはいなかったから、手紙で推薦図書を尋ねたらアンドレジイドの「狭き門」は読んだか?と答えが来た。
兄はD大学に通っていてクリスチャンになっていたのだ。

初めて洋画を見に連れてくれたのも兄。私の洋画好きなのも新劇が好きなのも今思えば全て兄の影響である。
兄嫁が先に逝ってから数年、弱ってしまって姪が介護していたがさぞ大変だっただろう。
姪のM子ちゃんにありがとう、ご苦労様って労いたい。
兄は最後に会った時、私に「クリスチャンになってんな〜」と2度も言った。
人生の途中で信仰から離れたことを寂しく思っていたのかも知れない。