ブログのシリーズ、久しぶりに書こう。
このところ結構忙しくて時間が足りないのだけど、そんな時に限って書きたくなる。
昨日、BSで上映したので録画をして久しぶりにゆっくり観た。
1971年製作、イタリア貴族のルキノ・ヴィスコンティ監督制作のドイツ3部作の一つ。
トーマス・マン原作。
時は1911年。
作曲家グスタフ・アッシェンバッハ(ダーク・ボガード)は休養のためベニスを訪れる。
船でリド島に到着してホテルに入る。
彼の荷物は凄い!タンスみたいな衣装ケースだ。
初めてこの映画を見た時は、この旅支度に驚いたものだった。
ホテルのロビーは華やかに着飾った貴族たちが居る。
子供づれで夏を楽しんでいるのだ。
それにしても、女性たちの衣装の豪華なこと。
帽子たるや、直径1メートルも有るかと思われる広い鍔に花が飾り付けてあって、おまけにベールで顔を覆っている。
暑いことないのだろうか?
その中で一段と美しい女性(シルヴァーナ・マンガーノ)はポーランドの貴族で、3人の娘と美しい少年(ビヨルン・アンドレセン)を連れている。
アッシェンバッハはその美少年に心を奪われてしまった。
船でベニスに入るところから音楽はマーラーの交響曲第5番4楽章が流れている。
美しいベニスの夕景とアッシェンバッハの鬱々した気分にぴったりの音楽。
この音楽が無かったら、この映画はここまで美しい映画になっていなかっただろう。
アッシェンバッハは毎日海辺で、ロビーで、少年の姿を目で追っている。
少年タジオがまた美しい。
セーラー服の姿。ストライプの水着姿、金ボタンのついた黒い服、どれも彼のしなやかな美しさを際立たせる衣装なのである。
その頃、ベニスでは疫病のコレラが流行り出した。
私には少年に対する男性の愛は理解不能だけれど、ビヨルン・アンドレセンはルキノ・ヴィスコンティ監督に沢山の候補者の中から選ばれて出演した。
この映画の「タジオ」とい名前は美少年の代名詞にもなる位有名だけど、余りにも美しすぎてこの映画の後の彼の人生は不遇だったようだ。
美しさも程々が良い・・・若さは直ぐに過ぎ去って行くものだし。
私は印象に残った映画に影響されるたちで、人形に「タジオ」の服を着せた。(30年以上昔だけど)
人形は女の子だけど、金髪だし、セーラー服が自然に浮かんだので造って着せた。
身長55センチ。a-dollオリジナルビスクドール