Kさんの息子さんから電話があって、最後の様子を教えてくれた。
娘さんも居て、ベッドの周りで喋っていたそうだ。
娘さんが先に気がついた。
「あっお母ちゃん息してへん」
静かに子どもたちの会話を聞いている間に天国から迎えが到着したのだ。
皆で「ほんまか?」とか言って触ったり、撫でたりしているうちにだんだん冷たくなってきて、亡くなったことがわかった。
享年100歳。
昨年のクリスマスの頃はまだ歩いていたと記憶する。
食欲がなくなって少しづつ衰えて行った。
「私、孤独死が理想なの」
と常からおっしゃっていたけれど、子どもたちが集まった中での最後は良かったと思う。
上野千鶴子さんの著書「在宅一人死のすすめ」を彼女は実践した。
介護保険を使って、行き届いた十分なケアを受けて、最後の日々を過ごしていた。
点滴や何の管にも繋がれず、自分のベッドの上で静かに自然に息を引き取った。
息子さんの家での同居を拒み、一人で好きに生き抜いたKさん。
素晴らしい生き方を示してくださった。
私もこんな最後を迎えたいと思う。
Kさんは私の夫の友達だった人。
今はもう天国で私の夫に会っているかしらん?