日本間の雨漏りで濡れた畳を乾かすために古い和ダンスを動かしたが、その前に引き出しのものを外に出した。
一番上は大切な書類などの保管場所になっているが、その下の引き出しには古い写真などが入っていた。
「わ〜懐かしい〜」って見るから少しも仕事は捗らないが、畳が完全に乾くまでそのままにしておくのでゆっくり楽しんで整理するつもりだ。
そんなぐちゃぐちゃの写真に混じって古い(65年前)私の「お見合い写真」が見つかった。
何故こんな所にあったのか不思議だ。
今まで一度も見たことが無かったから。
昔は殆ど本人ではなく親が良いと決めた人と結婚した。
今も仲良しの中学校の友達は独身のFちゃんを除いて全員お見合いでの結婚だった。
大学を出て教員の資格を取っても、1年ぐらい勤めただけでお見合いして結婚をしている。
勿体ないと思うけれど、女性は家に居るのが当たり前という時代だった。
夫婦の年齢差も3〜10才位離れているのが普通だった。
お見合いの前に「写真」と「釣書」を世話好きで中を取り持つ人(お仲人)がこれと思う釣り合いそうな相手に見せる。
双方よしとなったらお見合いの運びとなる。
その為に撮ったのがこの写真。
私は20歳?
H子姉ちゃんが結婚して、次は私の番なのだ。
女の子が何人も居たら順番に早くお嫁に出さないと行き遅れる。
私も早く結婚しないと妹がすぐ結婚適齢期になる。
ごじゃごじゃ文句は言わして貰えないのであった。
結局初めてのお見合いで縁談が纏まって(何というイージーな)約半年後に結婚した。
相手は6歳も年上だったが、仲人さんは「6つ違いは仲睦まじいと言いまっせ」と上手な仲人口。
それでは古い写真をご披露する。
着物はいつもお茶会で着ていた淡いピンクの訪問着。
まだカラー写真は無かった。
母が帯を結んでくれた。
懐かしい。
2つ折りの台紙に貼られて薄紙が挟まれていた。
マスクをつけたけどコロナではないのです。