東の窓から見えるイチジクは葉がよく茂っている。
実も沢山付いている様子。
「うむ?」
赤く熟しているじゃない?
蚊除けスプレーをして、何ヶ月ぶりかで裏庭に出た。
すだちも実をつけている。
ブラックベリーは暑さと日照りで全滅だ。
イチジクは3個完熟していた。

81年前の飢えていた夏。
父が家を建てて、残りの空き地にいちじくの苗を5本植えた。
戦争末期になって、いよいよ食べ物がなくなった頃、無花果が実をつけだした。
家にはお砂糖も牛乳も無い。
唯一甘くて舌を満足させてくれたのが、甘く熟した無花果だった。
だから、この家に移ってきた時、無花果の苗を植えたのだった。
小鳥たちが見つけて食べにくる。
食べても良いよ〜。
小鳥たちも、私の舌も満足させて下さるのが、神の恵み。
何やかや落ち込んでいた私に、
「元気になりなさい」と与えて下さった恵みの果実。