１２人の弟子
「イスカリオテ・ユダ」
後の世で１２弟子の名は子供にその名をつけられることが多い。
しかし、このユダだけは全くない。
何故なら師であり救い主であるキリストを「裏切った」弟子だからである。
なぜ、そのような行動に出たのか。
同じようにキリストを裏切ったペテロとどこが違うのだろう。
１、出身と名（マタイ１０：４）
「イスカリオテ・ユダ」この名前の意味は、イス＝人、カリオテ＝地域の名（ユダヤのヘブロン）
イスカリオテとはカリオテ出身の人のこと。
１２人の中でただ一人ガリラヤ出身ではなく、ユダヤの都会出身であった。
２、会計係ユダ（ヨハネ１２：２８）
①「金入れを預かっていた」６
彼が貧しい人々のことを心にかけていたからではなく、彼は盗人であって、金入れを預かっていたが、その中に収められたものを、いつも盗んでいたからである。
１２弟子の中には計算のプロ取税人であったマタイもいるのに、彼を差し置いて会計係りになるのは、余程能力があったと考えられる。
②ユダの発言からわかること ４ー６
マリヤは、非常に高価な、純粋なナルドの香油三百グラムを取って、イエスの足に塗り、彼女の髪の毛でイエスの足をぬぐった。家は香油のかおりでいっぱいになった。
ところが、弟子のひとりで、イエスを裏切ろうとしているイスカリオテ・ユダが言った。
「なぜ、この香油を三百デナリに売って、貧しい人々に施さなかったのか。」エルサレムに近づき、近々会計報告があるだろうから、帳尻を合わせなければならない。使い込みの穴埋め工作が必要となる。
３、主を裏切る（マタイ２６：１４１６）
①銀貨３０枚ー出エジプトによれば、奴隷１人の売り買いの値段である。
イスカリオテ・ユダは祭司長に「いくらくれますか」と聞いた。１５
②なぜ主を裏切ったのか？
３０シェケルは穴埋めにぴったり。
③「先生、お元気で」
イエスを裏切る者は、彼らと合図を決めて、「私が口づけをするのが、その人だ。その人をつかまえるのだ」と言っておいた。マタイ２６：４８;５０
それで、彼はすぐにイエスに近づき、「先生。お元気で」と言って、口づけした。
イエスは彼に、「友よ。何のために来たのですか」と言われた。
そのとき、群衆が来て、イエスに手をかけて捕らえた。
ユダに対するキリストの言葉「友よ」に見られる思いは？
ユダに悔い改めの機会を与えられている。
４、後悔（マタイ２７：３ー１０）
そのとき、イエスを売ったユダは、イエスが罪に定められたのを知って後悔し、銀貨三十枚を、祭司長、長老たちに返して、
私は罪を犯した。罪のない人の血を売ったりして」と言った。しかし、彼らは、「私たちの知ったことか。自分で始末することだ」と言った。
