キリストの12弟子
「ヨハネ」
1、ヨハネの家族と職業
ゼベタイの子ヤコブの弟(マルコ1:19、20)
また少し行かれると、ゼベダイの子ヤコブとその兄弟ヨハネをご覧になった。
彼らも舟の中で網を繕っていた。19
すぐに、イエスがお呼びになった。すると彼らは父ゼベダイを雇い人たちといっしょに舟に残して、
イエスについて行った。20
「雇い人たち」がいたことから父は漁業を営む裕福な漁師であり、
また母(名はサロメ)は信者であった。(マタイ27:56)
信仰深い母がいるクリスチャンホームであった。
2、性格と変化
①ヨハネと言う名の意味は「主は恵み深い」だが、彼の性格は激しかった。「雷の子」とあだ名された(マルコ3:17)兄弟ともに。
・主を拒んだサマリヤの町を焼き滅ぼす提案(ルカ9:54)
・主の名を使う者を仲間でないとして禁じる(マルコ9:38)
はっきりした性格で、ギリシャ語を学び「ヨハネの福音書」に見るように短文が多い。
芥川竜之介的な文章である。
②キリストから母マリアを託されるまでに変化
晩年は「愛の使徒」と呼ばれた。
ヨハネの弟子ポリュカリュポスが書き表した書物にヨハネの晩年が書かれている。
→エペソ教会で「愛の使徒ヨハネは主イエスを想い起こすかのように『兄弟姉妹、互いに愛々せよ』と語った」
性格を形成する本質部分の性質は変わらないが、性格は変わり得る。
3、何がヨハネを変えたか
「主の愛された弟子」(ヨハネ13:23、19:26、20:2、21:7、20)と5箇所に及ぶ表現が鍵!
厚かましい?主のえこひいき?否!
この表現は主が十字架について特に身近で話始められた最後の晩餐あたりから始まる。
弟子のひとりで、イエスが愛しておられた者が、イエスの右側で席に着いていた。13:23
そこに、あなたの息子がいます」と言われた。19:26
それで、走って、シモン・ペテロと、イエスが愛された、もう一人の弟子との所に来て、
「だれかが墓から主を取って行きました。
主をどこに置いたのか、私たちにはわかりません。」と言った。20:2
そこで、イエスの愛されたあの弟子がペテロに言った。21:7
ペテロは振り向いて、イエスが愛された弟子があとについて来るのを見た。
この弟子はあの晩餐のとき、イエスの右側にいて、
「主よ。あなたを裏切る者はだれですか」と言った者である。21:20
主は等しく弟子を愛されたが、ヨハネは主の愛を特別身近に深く感じた。
その頃を境に彼は後々に大きく変えられていった。
十字架に示された主の愛を思い感謝することが性格が変えられる秘訣。
特別に愛されていると感じた弟子。
ヨハネの感覚は
主は喜びをもってあなたのことを楽しみ、その愛によって安らぎを与える。
主は高らかに歌ってあなたのことを喜ばれる。ゼパニヤ3:17
それと対照的なのがペテロで、イエス様を深く愛した。
4、性格が果たした使命
ヨハネは激しい性格だった。しかし激しい性格は別の角度から言えば、感性が鋭く情愛が濃い。それが主の生涯と黙示録を書くに相応しいものとして主は用いられた。