a-dollのブログ

忘れたくない日々のあれこれの記録

リストの愛の夢

今日も暑かった。ドールハウスのカーテンを作っているが2階は暑いので、下へ道具を持って降りて来て作った。
好きな事をしていると暑さを忘れる。
H子姉のコメントに有ったリストの『愛の夢』は懐かしい。
M子姉ちゃんの音楽学校の時の試験曲だった。M子姉ちゃんはレコードを買って来て繰り返し掛けて聴いていた。SPのレコードである。
人口密度の高かったあの頃の我が家では、ピアノの有る洋館で私達は勉強していたから、耳の傍でいつもこの曲がが鳴っていたのだ。
M子姉ちゃんは神経質で上がり症だから毎回試験の当日は大騒ぎで出掛ける。
家族全員が無事にピアノが上手に弾けます様にと祈る気持ちだった。
夕方帰宅して「どうやった?」と聞くと、「あかんかった…」と肩を落としている。あれだけ練習したのにと家中がっかりさせられたものだ。
試験の度それを繰り返していたのである。
M子姉ちゃんは終戦後女学校(中学校)の3年生頃からピアノを始めた。
その年になってようやく好きな道を見つけたのだ。
好きな事のために父にピアノを買わせ、がむしゃらに練習して音楽学校に入学したのだった。
でも大変だったようで級友は殆ど幼い頃からピアノを習っている。差が有って当然だ。
冬は火鉢を横において手を温めながら練習していたし、霜焼けが出来るからと決して炊事の手伝いはしなかったのだ。
76才の今、1人で暮らして時間がたっぷりある。
好きなだけ好きなピアノを弾けて幸せな老後だと思う。