血圧が異常に下がったとの連絡が来て、早朝病院に駆けつけた。
まだ意識が有るので、中西牧師先生が来て下さって緊急に病床で洗礼を授けて下さった。
私も共に受洗する。
これで夫は神様の御手に委ねられたので、安心である。神様が一番良い時に天国から夫を迎えに来て下さるのだ。
しばらくは別れていても、家族が天国で再び逢えるのである。
夫の状態は心臓がいつまで持ちこたえられるかに掛かっている。
ドクターが延命治療の意志の有無を問われたので、娘と「要らない」と夫の意志を告げた。
消灯時間まで夫の傍で付き添う。
娘と二人で、夫の過去の面白いエピソードを探して楽しんだ。
何と言っても一番は、『同窓会写真侵入事件』。同窓会主催のセミナーの後で、講師をされたN先生の同期生との記念写真。同期生だけで撮るのに、夫は厚かましくも一緒に写した。後で写真を見た同期生が「このお爺さん誰？」と聞いたので、先生は「先輩のお父様で、私のお父さんみたいな人」と言って下さったが、後ろに立って写した夫は「前に座らしてくれへんかった」と文句を言っていた。
夫は二人の話し声が聞こえるかどうか解らないが、穏やかに眠っている。
今日３月１２日は私にとっても記念すべき日である。
