a-dollのブログ

忘れたくない日々のあれこれの記録

『ヤコブへの手紙」

フィンランド映画。
静かな映画だった。お湯を沸騰させている薬缶。ナイフで薄く切ったパンと紅茶。
年老いた牧師ヤコブは盲目だが、長い間、多くの人から祈って欲しいという手紙を受け取り、祈って返事を書き、送り返す日々を過ごしていた。
牧師館は古くて雨漏りもするが、新しい家に行くと、悩んでいる人々の手紙が届かなくなると、と住み続けている。
その手紙を読んで返事を書く仕事のために、牧師館に雇われて来たレイラは、12年の刑務所生活を恩赦で釈放されたばかりである。
ヤコブはレイラに封書を開けさせて、読ませる。不安を訴える手紙である。
「レイラ、ピリピ4章6〜7を開けてごらん」
聖書をめくるレイラ。
ヤコブはみ言葉を言って「これで合っているかい?じゃこれを書いて封筒に宛名を書いて下さい」。
しかし心を閉ざしているレイラ。
受け取った手紙を捨てたりしている。
毎日手紙を届ける郵便配達夫と、レイラとの間も険悪である。
郵便配達夫はある日から牧師館へ寄らずに行ってしまう。ヤコブは気落ちしてしまう。
教会は古くて静かで、誰も居ない礼拝堂にヤコブだけが横たわっている。
レイラは荷物をまとめて、タクシーを呼んだ・・・・。
佳い映画だった。
ヤコブへの手紙 [DVD]
映画の間、風の音を忘れていられた。