a-dollのブログ

忘れたくない日々のあれこれの記録

前進座の芝居

一日中雨。有難い雨だ。
夜、厚生年金ホールで前進座の芝居を観る。夫と一緒だ。
民藝仲間の会の世話をしているHさんから電話で是非観て欲しいと依頼が有ったのだ。
戦後60周年特別企画で、神坂次郎原作の「今日われ生きてあり」で、鹿児島の知覧から飛び立って還ることのなかった少年特攻兵と彼等を見送った人たちとの交流を描いている。
爆弾を乗せたおんぼろの飛行機で、航空母艦に突っ込んで自爆していく若者たち。
それが残された者や日本の国の為に役立つと信じ切っていた彼等。皆の命があんなに粗末にされた時代はない。
音楽はフルートの独奏者が舞台脇で演奏し効果を出して良かった。
こんなしんどい芝居は今の若者は観に来ない。
二階席ががら空きなので、空席が余り多いと芝居が盛り上がらないとの事で無理矢理の動員だ。
本当に良い芝居なのだけど、しんどい。
隣に座ったおばちゃんは、ちょっと小太りで、ハンカチを出して「グスッグスッ」と泣いてるか、と思えば私の方へ寄り掛かり「スピースピー」と寝息を立てて眠っているのだ。
それも無理ないな、と思える芝居だった。