a-dollのブログ

忘れたくない日々のあれこれの記録

幼い日のせつない思い出

淡路島に行ってからというもの、幼い日の思い出話で盛り上がっている。
姪が姉の書いた、随筆を持って来てくれた。
その中に、冬の日近所に住んでいて親しくしていた海軍将校との面会の話が有った。
多分戦争末期の昭和20年の2月頃か、私は小学校2年生だったと思う。
寒い日曜日、朝早く暗いうちに両親と出かけた。
汽車の窓からは雪の積もった風景が見えていた。
旅館の一室が面会所で、何人かの海軍の兵隊さんが居て、それぞれ面会の家族と持参の食べ物を食べたり談笑をしていた。
海軍の兵士達は、多分翌朝にでも軍艦に乗り込んで敵地に出航したのであろう。生きて会えないかも知れない最後の家族との逢瀬だったのだ。彼等はどんな気持ちだったのだろう。
今思うと、すごい場所に私は行ったのだけれど、その時の幼い私には解る筈も無い。
そのお兄ちゃんだけでなく、他の兵隊さんとも大きな足の上に小さな私の足を乗せてダンスの真似事をして遊んだ楽しかった記憶がある。
私は慰問の手紙を出したらしく戦地からの返信を沢山受け取っている。
そのお兄ちゃんは無事に帰って来たものの戦後すぐ肺結核で死んでしまった。
幼い日の戦争の思いでである。