曇り空で涼しいので、庭に出る。
勝手口から、家の裏庭は北に面していて夏でも涼しい風が通って来る。ここは蚊も来ない。
それでも雑草は生えているから、風に吹かれながら草抜きをする。
ここは額紫陽花や、ツワブキや、スズランの機嫌良く成長する場所でもある。同じ植物でも環境によってすぐ枯れたり、大きくならなかったりする。
これらは北側で、風通しが良く、乾燥気味なのが好きなのだ。
ターシャ・テューダーが言っている。新しい花を植えるときは、3カ所に植えてみること。しばらく見守っているとその花がどの場所に適しているか分かるからだと言う。
我が家では黄色のカラーもここで良く育つ。唯、油断をすると、毎年黒い蝶の幼虫が葉を食い尽くしに来る。真っ黒でオレンジ色の点々が付いていて美しい虫なのだが、どん欲に見る見る内に葉を全部食べてしまう。
花の終わった後は、葉が養分を蓄えて球根を大きくし来年の花の準備をするから、葉はとても大切なのだ。幼虫に気をつけて駆除する必要が有る。
NHKの番組の『ダーヴィンが来た』が好きでいつも見るが、数週間前にアゲハチョウを取り上げていた。とてつもない遠い所まで飛んで行き卵を産みつけるが、その植物は決まっている。蝶は命がけで子孫を残そうとしている。
カラーに来る蝶もカラーしか食べない。どこから飛んでくるのか知らないけれど、小さな我が家の庭の隅の、カラーを発見して大喜びで卵を産みつけたのかと思うと、無下に殺そうとするのもなあ、と躊躇してしまう。
花を守るか?蝶の命か?庭にしゃがみ込んで考えたのだった。