a-dollのブログ

忘れたくない日々のあれこれの記録

木犀の花咲く

朝ご飯を食べていたら、何か素敵な感じがして一瞬これは何なのか?と思ったら庭の木犀が香っていたのだった。
庭に出てみると、小さな蕾が一杯ついていて、そのうちの何輪かが開いていたのだった。これが秋の香り、いよいよ秋は本物だ。
アーサー・ゴールデンの『さゆり』を読んだ。白人が日本のしかも京都の色町を舞台に小説を書き上げたのに驚く。これだけ良く調べて書けた物だと思う。アーサー・ゴールデンはニューヨークタイムスのオーナー一族の超エリートだが、この小説が出来るまで何度も書き直し10年の歳月を掛けたと言っている。
主人公さゆりが思い出を語るという形式の小説で、昭和の始め、9才のさゆりは貧しい漁村から祇園に売られて行き、芸妓となる。さゆりは不思議な色の目をした美しい子であった。魚臭いと言われ虐げられた少女が、美しい舞子に変身しやがて売れっ子芸妓に成長して行く様が息を付かせず面白く読ませる。
又、小川高義の訳が良くて、祇園の京なまりが心地よく馴染んで来る。
私は映画化されたのをまだ見ていないが、チャン・ツィイーがさゆりの役なのは知っている。この不思議な芸妓の役は日本人の女優では適当な人は見当たらない。
意地悪な芸妓白桃はコン・リーならはまり役だと思う。
余り評判は良くないようだが、是非見てみたい。