赤い椿が咲いた。
東北大震災から9年経った。
復興はまだまだ。
特に福島の原発の被害の後始末は今更ながら大変だ。
何という不運なことだろう。
長い人生には大きな災害に出会うことは避けられない。
私は直接大きな被害を被った訳ではないけれど、1番はやはり太平洋戦争だろう。
その次が東北大震災、次が阪神淡路大震災。
その間に大きな台風にいくつも見舞われた。
今のコロナウイルスは鬱陶しいこと限りない。
毎日、行事が取り止めのニュースを聞くのも気が滅入る。
戦後すぐ(小学校4年生の頃)、発疹チブスが流行ったことがあった。
食料が乏しくて栄養状態が悪いのと、石鹸もないし、勿論シャンプーなんか聞いたこともない。お風呂も燃料(薪)が無くて入れなかったから全ての日本人は不潔だった。
不潔な体にシラミが取り付く。
シラミの媒介で発疹チブス流行った。
登校の途中で友達がひそひそ声で「この家の人、チブスに罹ってんて〜」と言うと一同大急ぎでその家の前を走り過ぎた。
これはD.D.Tのお陰で終焉した。
ある日、電車から降りて改札口に出ると、白い服を着たおっちゃん達に掴まえられて、頭から、洋服の襟元から、真っ白い粉をたっぷり吹きかけられた。
「ひやー」と悲鳴をあげて泣きそうになりながら学校へ着くと、クラスの全員は頭から真っ白けだった。
このD.D.Tは強力ですぐシラミは全滅した。
チブスはまもなく終焉したのだろうと記憶する。