Y田さんに「ドクトル・ジバコ」は「私の好きな映画百選」に取り上げるのはまだ?と
聞かれた。
私の中ではすごい映画だけど、好きという範疇にないので、取り上げようとは思い浮かばなかった。
「ジバコをやってる俳優さんが好みじゃないのよ」と私。
「え〜っとなんて名前やったかしらん」とY田さん。
というような会話をしたから気になって、ついにアマゾンプライムで探し出して、暫くぶりで見ることにした。
この映画は無料じゃなくて・・・と言ってもたった299円。
音楽は「ララのテーマ」が素敵。
映画でここ、というところで流れる。
1965年製作イタリア・アメリカ映画
監督 デビット・リーン
主人公のジバコにはオマー・シャリフが演じている。
映画はボリス・パステルナークの小説を映画化したもの。
ロシア革命の混乱に翻弄される医師で詩人のユーリー・ジバコと恋人ラーラ(
ジュリー・クリスティー)の恋の運命を描いている。
映画の冒頭はジバコの腹違いの兄イエブグラフ・ジバコ(アレック・ギネス)が死んでしまった弟ユーリ・ジバコ(オマー・シャリフ)の遺児である娘を探している。
両親と逸れて孤児になった娘には両親の記憶がない。
彼女はバラライカを肩に下げていた。
兄は娘にユーリ・ジバコのことを語ってやる。
長い映画で3時間あまり。
ユーリー・ジバコに、亡くなった母はバラライカを残した。
映画の一番の素晴らしさは広大なロシヤの風景。
長い列車と一面の雪と氷の世界が広がる。
家を民衆に乗っ取られたジバコたちが逃れて行くペリキノの別荘。
ここも使うことが出来ない。
革命の中では個人とか家庭とか無くなってしまう。
ユーリ・ジバコも妻も裕福でモスクワの家は超豪邸だし、逃れていく別荘もお城の様だが、それらを全て失ってしまう。
皇帝と家族が銃殺された、とニュースが流れても民衆はフンって鼻であしらっていた。
ユーリには愛する子供も妻もいる。
ラーラにも革命の戦士の夫と子供がいる。
ただ、ラーラの夫バーシャは革命に傾倒して家を顧みない。
ラーラは従軍看護婦として働きつつ夫を探しているが、そこで軍医として働いているユーリ・ジバコと出会って燃え上がった恋。
この物語ではラーラの母のパトロンである弁護士コマロフスキー(ロッド・スタイガー)が重要な役割を果たす。
彼は物語の初めに、17歳の娘だったラーラを犯したのだった。
映画の終盤で二人は逃れ来て雪で覆われた別荘に入るが、その室内の氷と雪の美しさ。
まるで「アナ雪」の世界だ。
素晴らしい大河ドラマである。
オマー・シャリフは熱演で素晴らしかった。
でも残念ながら私は、若い日のショーンコネリーとかクラーク・ゲイブルとか濃い俳優は好みじゃないのだ。
良い映画とは思っても、好きとなると、少し引いてしまうのは単に俳優の好みだけという幼稚な私が情けない。