a-dollのブログ

忘れたくない日々のあれこれの記録

長い電話

蒸し暑い一日だった。
夜、岡山の友達から電話が有った。
彼女は堺市にずーっと住んでいて私とは混声合唱団での友達だが、ご主人が定年後岡山に帰り年老いた姑の面倒を見ていた。
その姑が亡くなって、ようやく自由になりさぞや元気に楽しく毎日を送っていると思っていたのだが、姑のお葬式の後夫の妹にひどい言葉を浴びせられ、深く傷付き身体が痺れたり足と腰が悪くなったのだそうだ。
ようやく、少しましになったけど落ち込んで辛かったようだ。
今の住まいの近所は農家で皆働いているので友達は無いという。歌も長く歌って無いから声が出なくなっているとも。
いろいろ愚痴を聞いている内、彼女が「今家に可愛い子が居るのよ」という。
「猫?インコ?オオム?」と聞くが受話器の向こうで何かがしゃべっているのだ。
何か気取ったしゃべり方で子供のような声だ。ちょっと気色悪い。
プリモ何とかというおしゃべりする人形らしい。
彼女には子供が無いので、世話を焼くのが好きな彼女のエネルギーの持って行く対象になっているみたいだ。
見ないで批判は出来ないが、私には少し悲しく思える。
「あなたの飼っていた犬みたいなものよ」というけど、犬や猫とはやはり違う。
犬はしゃべらないけど会話ができる。
彼女のプ−君は一方的にしゃべるだけ、センサーが入っていて9時になると「おやすみなさーい」と寝て、触ると「むにゃむにゃ」と寝言を言うらしい。
「お散歩に連れていかなくっても良いしオシッコもウンコもしないし良いよ」という。
着せ替えたりしてどこえでも連れて行くらしい。でも一日中側でしゃべられたらうるさいやろな、と思ってしまう。
私も老後はロボットを買いたいと思うけど、おしゃべりじゃ無いのが良いな。
彼女は私が誘った岡山シンフォニーホールでのコンサートに行くわね、といってようやく長い電話を切った。