a-dollのブログ

忘れたくない日々のあれこれの記録

姉の長電話

イングリッシュブルーベル

姉から電話が有った。私はガーデニングの真っ最中で手はどろだらけで受話器を取ったので落ち着かない。
姉はいつもと同じで、自分の事ばかりしゃべっている。庭の植木に虫がついて大変なこと、庭の草引きもくたびれる、同窓会の誘いが有ったけど幼馴染みのお爺さんに逢うのはまっぴらだ、友達のだれそれさんが認知症かも知れない、etc・・・。私は自分の情報は何も言えず終い、胸にしこりが出来たことを訴える間も無かった。もし言ったとしても、83才になった今の姉に適切なアドバイスを期待しない方が良いと思う。電話は延々と続いて私の手のどろは乾いてしまった。
ケーブルテレビのオンデマンドで映画を見る。24時間で420円だ。イギリス映画の『ラベンダーの咲く庭で』。題からして私の好みの映画である。時代は第2次大戦の前、2人の年老いた姉妹が海辺で優雅に暮している。
ある嵐の夜が明けた朝、渚に若い男(ダニエル・ブリュール)が打ち上げられていて、2人は彼を助けるのだ。
ずっと独身で過した妹(ジュディデンチ)の悲しい、いじらしい思いが哀れだ。しっかり者の姉は(マギースミス)。通いの太った家政婦が達者で面白い。ヴァイオリンの音色が素晴らしく、インテリアも景色も老女たちのドレスも素敵で、やっぱり私好みの映画であった。
写真はイングリッシュ・ブルーベル