a-dollのブログ

忘れたくない日々のあれこれの記録

赤毛のアン

今年はルーシー・モード・モンゴメリーが『赤毛のアン』を出版して100年になる。1908年6月に出版された。
日本では村岡花子が1952年に翻訳をして紹介した。
東京都大田区に「赤毛のアン記念館・村岡花子文庫」が作られている。孫の美枝さんと恵理さんが主宰だ。
6月に妹の恵理さんが、村岡花子の評伝『アンのゆりかご』を出版した。
モンゴメリーの熱狂的なファンである娘が、早速注文して買ったのが届いたので、お先に読ませてもらった。
娘はいつも日本の本を買うと我が家に届けさせ、私が読み終えるとボストンに送るという段取りになっている。
お陰で、今迄娘の愛読書は全て読めた訳だが、『アンのゆりかご』は評伝として素晴らしい本だった。
子供向けの良い本が少ない日本の少年少女に、夢を描ける様な物語を紹介したいと常に思っていた翻訳家村岡花子
第二次大戦が難しい局面になり、カナダの宣教師が帰国させられる時ゆだねられたのが、『Anne of Green Gables』の原書。
敵性語だと禁止されていたので隠れて翻訳をし、空襲警報が鳴って防空壕に逃げるときも本と原稿を持って行った。終戦後は紙も無く苦労して出版されたとある。翻訳が訳了してから7年、原書を託されてから13ねんもの年月が費やされている。
アンの物語が生まれた島、プリンスエドワード島は、先住民の言葉で「波間に浮かぶゆりかご」と言われていた。
青い海と、赤い土の海岸線の美しい小さな島である。
私は数年前に娘と一緒に訪れてグリンゲイブルスも見たが、村岡花子はついに訪れる事は無く生涯を閉じられたのである。