a-dollのブログ

忘れたくない日々のあれこれの記録

中西先生は日曜日の礼拝の話の中で、ミケランジェロが彫ったピエタのことに触れられた。
ピエタとは、十字架から降ろされたイエス様の亡きがらを抱いて、嘆き哀しむマリアの像のことである。
ミケランジェロは生涯4体のピエタを彫った。
最初に彫ったサン・ピエトロ寺院ピエタは特に有名で、若く美しいマリアの顔と三角形の構図が印象的である。
一番最後に彫ったピエタ(ロンダニーニのピエタ)は、ミラノのスフォルツア城に有る。
20年前夫とイタリア旅行をしたおり、どうしても見たかったので、友人たちと別行動をして夫とタクシーでスフォルツア城に行った。
古い城で、石の弾丸が転がっていたり昔の戦の様子が偲ばれる素朴なしかも頑丈な城の展示場に有った。
荒削りな未完成のピエタだが、特徴として中西先生のおっしゃった通り、後ろから見るとイエス様がマリアを背負っている様に見える。
最初の予定を覆して、壊して彫り直した後も有る。
ミケランジェロは病に倒れる前日まで彫り続けたという。
私はその頃まだクリスチャンでは無く、単にミケランジェロの作品に憧れを抱いていたので感動した。像の前で夫に撮ってもらった写真が残っている。
夫のカメラの腕が抜群なので、マリアの頭が切れている・・・とほほ。
晩年のミケランジェロは信仰の上でも大きな変化が見られ、嘆き哀しむマリアを支えて慰める形を掘り出したと言える。
この旅行では、幸いもう一つのピエタ像(フィレンツエのピエタ)も見ることが出来た。

幼い頃、私は外で遊ぶのが嫌いな子で、部屋で兄の美術全集を見るのが大好きだった。中でもルネッサンスの頃の絵画や彫刻を見るのが好きで、システィーナ礼拝堂の天井画の天地創造の絵は印象的で、ローマを訪れたとき、ちょうど修理が終わった直後の美しい憧れの天井画に出会えて、どんなに感激したことか。
ダビデ像を始めとした、幼い頃からの憧れの天才ミケランジェロ様の作品に沢山触れたイタリア旅行の感動を思い出した。
ミケランジェロ様が、晩年に深い信仰を持ったと知った今、いよいよ尊敬と憧れが増したのだった。