a-dollのブログ

忘れたくない日々のあれこれの記録

海老蔵

松竹座で海老蔵を観て来た。
姪の夫が都合が悪くなり、チケットが私に回って来たのである。
棚から牡丹餅とはこのことかなあ。
雨が降り出したので、和服を着るのは止めたが、松竹座は正月興行だけあって和服姿が多く、華やいでいた。
兄と姪のAちゃんMちゃんと4人で、夜の部通し狂言「雷神不動北山櫻」を観る。
かぶりつきの席で、しかも中央の席だったので、海老蔵が見得を切った時のヒンガラ目の顔が目の前で見えたし、途中で客席を走り回り、私の前を演技しながら走って、真に臨場感溢れる贅沢な芝居見物だった。
兄は84才。足が弱ってよたよたしているが、根っからの芝居好きである。最後まで居眠りもせず、しっかり役者を目で追っていた。

海老蔵は早変わりで5役を演じた。
歌舞伎十八番の「鳴神」や「毛抜き」などを取り込んだ伝統的な古いファンタジーである。
メーキャップは勿論、声も色分けして、面白く見せた。
若いだけにエネルギッシュでパワーに溢れ、歌舞伎役者としては素晴らしい逸材だと思う。
兄は友だちの子息である「市川右近」がお気に入り。
海老蔵より口跡はええ」と自慢していた。
「又楽しいこと考えような」と、車で家まで送ってくれて帰り際に言った。
兄は妻に先立たれて寂しいのである。