a-dollのブログ

忘れたくない日々のあれこれの記録

「マルタのやさしい刺繍」

スイス映画。ベルンの東エメンタール地方の小さな村に住む80才のマルタ(88才の女優ステファニーグレイザー)は、夫を亡くしてもう9ヶ月が経つが、まだ悲しみの中にいる。
緑の牧草地に囲まれた美しい村で、中央に教会の尖塔が見える。
始まりは教会の礼拝の場面。「主の祈り」と唱えている。マルタは寝坊をして礼拝に遅れて来る。
牧師はマルタの息子だ。
聖歌隊男声合唱で、もうすぐコンクールに出演する。旗が鼠に食べられてぼろぼろになったので、裁縫が上手なマルタに注文するのが、物語の発端だ。
友人3人とベルンへ布地の買物に出かけるが、マルタはそこで昔の夢の実現を思い立ち、夫の持っていた食料品店の後に、ランジェリーの店を開くことになる。
保守的な村人はびっくり。嫌らしい下着を売っているとうわさが流れ、猛反対に遭う。
友人3人はマルタを支え、自分たちも夢に向かって動き出す、感動の物語だ。
農家の嫁だったが車の免許を取ったハンニ。老人ホームでコンピューターのクラブに入ってインターネットを始めるフリーダー。アメリカ帰りと言われる派手なリージ。
長い間、抑圧されていた老女、女性、牧師の母、嫁という立場を解き放ち、勇気を持って夢の実現に立ち向かう、素敵な老婦人達。
年よりだから、女だからと諦めることはない。
監督はベティナ・オベルリ。若い女性である。