1973年製作のスペイン映画。ヴィクトル・エリセ監督。
何と言っても、主人公の少女アナ(6才)が可愛いのが一番の魅力の映画だが、光と陰の映像が美しい。
時代は1940年。スペインでは内戦が終わってフランコ政権が確立されて、閉塞された気分が国全体を覆っている。
場所はカタルニア地方の小さな村。
イザベラとアナは姉妹。お父さんはかなり年配で、ミツバチの研究に没頭している。お母さんは手紙を書いて誰かに送っている。けだるそうにピアノを鳴らしたりしているが、娘達が外で何をして遊んでいるか見に行きもしない。
小さな村に映画「フランケンシュタイン」がやって来て姉妹は観に行く。
幼いアナは、物語に影響されてしまう。
お姉ちゃんは残酷だ。
それにしても広い屋敷で、お手伝いさんはどこに居るか呼んでも居ないし、周りも森と広い荒れた農地が続いていて恐ろしく淋しい。夜はランプとろうそくの明かりだけ。暗い画面にアナの潤んだつぶらな瞳が映し出される。
詩のような映画だった。