午後3時。
Nさんが来た。
二人で近くに住むKさんを訪問する。
Kさんは先月97歳の誕生日を迎えた。
さすがに足元が弱って外に出るのが難しくて教会も休んでおられる。
買い物はヘルパーさんに頼んでメモをして買ってきてもらうが、洗濯も掃除もまだ自分でしているそうだ。
おしゃべりのNさんと私がしゃべるのをニコニコ笑って聞きながら、時々口を挟むだけ。
お土産に持って行った柏餅を美味しいわとぺろっと食べた。
「咽せないように気をつけんとね」というと「私は咽せたことないの」と、やっぱり97歳までしゃんと生きている人は違うわ・・・と改めて感動した。
テーブルにグミの枝が生けてあった。
「懐かしいわ、ぐみやん!」と言ったら「食べて・・・」懐かしいグミの渋い味がした。
戦時中食べ物が無いとき、庭に植えてあったグミをおやつ代わりに妹と食べたのを思い出した。
赤く熟したのを口一杯に頬張って、種を飛ばして妹と食べ比べをした懐かしい思い出。
Nさんは「しぶいわ」とたった一つしか食べなかったけれど、この渋い実でも飢えた子供のお腹の足しになったのだった。
それから戦時中の話になって、しゃべること3時間。
Kさんは草臥れはったやろ。
私も喋り過ぎてくたびれたけれど楽しかった。