まだ熱は出なくて、寒気もしない、喉も痛くないし、鼻も異常なし・・・・。
娘の食事は階段下の棚に乗せておく。
熱のある娘は降りてきて持って上がって食べてるみたい。
会話はラインが一番早い。
さて、昨日NHKで見た「夏祭浪花鑑(夏祭りなにわかがみ)」今年6月の博多での公演の収録。
団七を演じたのは片岡愛之助。
片岡愛之助は出身が堺だというから、この役にはこれ以上ない条件を持っている。
また昔から多くの名優が演じてそれぞれの型がある。
この芝居では昔懐かしい大阪弁のセリフが出て来るけれど、私も知らないもっともっと古い大阪言葉が随所に出て来るのも興味深い。
この芝居は1745年大阪竹本座が初演で、全部で九段あるミステリー殺人事件の浄瑠璃である。
その長い通し狂言のうち、現在芝居小屋で演るのは、
三段目「住吉鳥居前」
六段目「釣船三婦内」
七段目「長町裏」通称「泥場」
団七は堺で魚の行商人(棒手振り)をしているが義侠心厚く、そのため、ふとした事で殺人を犯して捉えられ、今日は釈放される日なのだ。
登場した団七はもじゃもじゃ眉毛に髭ぼうぼう、月代(さかやき)は伸び放題。
痒いのか、ぼりぼり体を掻き毟っている、むっさいおっさんだ。
床屋で髪を当たってもらい新しい浴衣に着替えて再登場。
〽︎ずっと出たる剃りたての糸瓶頭青月代
月代は青々剃りたて美しく、浴衣は派手な染め模様(定紋の追いかけ五枚銀杏と朱色の松島屋のハンコ)朱色の褌、雪駄ばき。
ここが一番の見どころ。
六段目は三婦の店先。
おりしも神津神社の夏祭りで下座(B.G)はだんじり囃子。
この場面も見どころいっぱい。
団七の妻の親父義平次は金をせしめようと大切な預かり人を騙して籠に乗せて連れ去る。
それを知った団七は追いかける。
そして七段目になる。
堺筋の東側にある長町裏。
泥水の溜まった池がある。
団七は殺すつもりはさらさら無かったが、この舅は実に憎たらしい。
この義平次が憎々しげなほど団七が引き立って哀れさがます。
だんじり囃子と一緒に明るい提灯が見えて、二人は泥だらけ、血まみれの揉み合いを繰り返すのだった。
憎々しげといえば、ずっと以前に亡夫と観た扇町公園での「平成中村座」。
この舅は本当に本当に意地悪業つくジジイだった。
最後に舞台正面がガラッと開いて外の扇町公演が現れ、二人は走って逃げて行き、また舞台へ戻った。
面白い演出だった。