a-dollのブログ

忘れたくない日々のあれこれの記録

女正月

大阪松竹座へ「新春大歌舞伎」を観に行く。

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お正月公演らしく舞妓さんや芸子さんらしい人が何人も居て華やかである。

私の連れは2人。

高校からの友達で、コーラスや食事会やハイキングでいつも一緒の長い付き合いだ。

波乱万丈の人生を頑張って生きて来た今、残りを楽しもうやないの・・・と三人考えが同じ。

 

お弁当を買って(一番小さいのを選んだ)お手洗いも済まして(開演10分前に行くと空いている)ゆっくり着席。

歌舞伎の世界に浸る。

 

プログラム1番は京都が舞台の世話物「九十九折(つづらおり)。

 

圧巻は2番目の「大津絵道成寺」。

片岡愛之助が早替わりで、藤娘から五変化をこなす。

愛之助は美しく舞も見事。

長唄常磐津とお囃子連中で華やかで面白い舞台だった。

 

 

プログラム3番は、大阪上町が舞台の古い上方の世話物「婉容女舞衣(はですがたおんなまいぎぬ)の 酒屋の場」。

大阪の子なら誰でも知っている「三勝半七」の心中ものである。

夫に置いて行かれた半七の妻、お園の口説きのセリフ「今頃は半七さん〜どこにどうしておりゃりょうぞ〜」のくだり、浄瑠璃太夫の語りと太竿の三味線の音色がしんみりと気持ち良くて、3人とも良い気分に浸った。

Kさんは「お父ちゃんがよう語ってたわ」と大昔に無くなったお父さんを偲んでいる。

このセリフも。

「去年の秋の患いに、いっそ死んでしもうたら、こうしたなんぎはせんものを・・・」

 

島の内の芸者三勝の役は坂田藤十郎がやる予定だったのが体調不良で休演、子息の扇雀がお園と三勝の二役を早替わりで勤めた。

もう88歳やものしょうがないわ。

最後に観たかったけれど。

 

 

まあ、観客は殆ど若い女性で、満席の客席は静かで、どこかで寝ている人の静かないびきが響く状態。

何か、伝統芸能、芸術作品を鑑賞しているようで、昔の女性の私らはもっと気楽に観たかった。

ちょっと喋ると、係りの女性が飛んできて注意をしてくれる・・・(ー ー;)

クラシックのコンサートみたいに厳しい。

「私ら声が大きいのかもね」

「声が良う通るねんわ〜」

と懲りない私たち。

11時から3時半まで充分堪能した。

毎日がお正月みたいな私らだけど、今日は昔風に女正月をしたのだった。

疲れたけど楽しかった。

また行こう!