a-dollのブログ

忘れたくない日々のあれこれの記録

芝居こんにゃくいもたこなんきん

今日は曇り空だったけど、庭掃除はやめた。
午後、公民館にコーラスの練習に行く。30分残して早退して夫と森ノ宮のピロティーホールに民藝の公演を見に行く。
今日は『エミーズ・ビュー』、英国のディヴィッド・ヘアの戯曲で、訳と演出は丹野郁弓。
エズミ(奈良岡朋子)は有名な舞台女優でロンドン郊外の古い家に、亡き夫の年老いた母と暮らしている。エミー(河野しずか)は彼女の娘で、エズミの気に入らない野心家のドミニク(境賢一)と結婚する。この3人の葛藤が物語の中心で、16年の歳月を追いながらパズルの様な組み立ての複雑な心理合戦が繰り広げられる。
流石はシェクスピアの国の作品、膨大な台詞量に圧倒される。
舞台美術も良かった。照明によって、時間の推移がはっきり分かり、簡素な装置ながら英国の古い家の雰囲気は有った。
この物語にも有るように、現代は劇場に足を運んで見る演劇は厳しい状況に有る。
私は30年昔から劇団『民藝』の仲間の会に参加して見続けている。
新劇は古くさいとか理屈っぽいとかいって敬遠される。特に関西では客の入りが悪く、公演回数も年々減っている。今日も劇場の半分の入りで勿体ないなあと思った。3500円という安価なのに。
ある種の演劇はチケットも手に入らない程の人気なのにだ。
歌舞伎も一時衰退していたのに、最近は高い入場料にも関わらず中々チケットは買えない。
民藝が大衆に媚びず、同じ姿勢を貫いているのは私の好みなので、長い年月劇場に通って、その度に客席の暗闇の空間に座って感動し涙して帰ってくるのを常としている。
ところで、私の夫も芝居好き。
この所連日出続けで少々ばて気味なのに、よたよたしながら行くと言う。彼の場合はどんな芝居でも好きなので、機会が有れば1人でも見に行く。
昔から女の好きな物の例えに(芝居、こんにゃく、いもたこなんきん)というのが有るけれど、昨今、男の観客も増えたようで嬉しい。といっても民藝の場合は夫のようなおじいちゃんが多いのが悔しいけど。