a-dollのブログ

忘れたくない日々のあれこれの記録

父のこと

当時父は事業を拡大する為に多忙で、滅多に食事に連れてもらったりすることは無かったが、ある日家族でいづもやへ『まむし』を食べに行った。まむし(鰻丼)にう巻きと肝吸いも付いていて久しぶりの大ご馳走だ。
満足して帰る段にになって、父はお勘定をするのに何と腹巻きからお札を引っ張り出した。
何と格好悪いことをするお父さん!と逃げだしたかった。
父は白浜行きの電車ですりに財布を取られてから、用心深くなったのだった。
当時は、腹巻きをお金を入れにしている人は多かったと思う。終戦後間無しで世上は不安定で泥棒やスリ、空き巣狙い等が横行していたから。
でも、自分のお父さんはもうちょっと格好よくいて欲しいのだった。
母はおしゃれで身を構うのが好きな人だったが、父は着るものは汚れてなかったら何でもよろしい。という様な人だった。
私は母に似て恰好つけやだったからそんな父が嫌いだったのだ。
今日は暑くてくたびれたから、続きは又明日。