a-dollのブログ

忘れたくない日々のあれこれの記録

C子姉ちゃん

C子姉は戦後すぐに、復員して父の会社に入って来た男性と結婚した。
彼は滋賀県の農家の出身だが、成績優秀だったので大阪に出て来て、書生(住み込みで雑用をして勉強させてもらうこと)をしながら商業学校を卒業して大手の商社に勤めていたが、兵役にとられ、幸いにも無事復員して来た。
戦後父は事業の拡大に忙しく、優秀な人材を求めていたので、人に仲立ちしてもらい入社してもらった。
彼にすっかり惚れ込んでしまった父は、長女のC子の養子に来てもらうことにした。
きっと可愛い長女をお嫁にやるのも嫌だったのだ。
結婚式では父が泣いたのだそうだ。「篤姫と一緒やわ」と姉は言った。大河ドラマを観ていて思い出したのだとか。
養子さんと言っても、姉はこのとき恋に落ちたのだから、幸せな結婚生活だった筈。
姉は精神的に苦労が有ったとしても、世間の荒波を知らず、早くに脳出血で義兄が亡くなっても(姉は52才だった)経済的に困ること無く、男の子は2人とも母思いだし、気楽なお嬢様のまま未亡人生活を送って来て幸せな人だ。
私はお小遣いが欲しいから、姉の洋服をずっと仕立てて来た。服地を選ぶ段階から相談に乗っていたから良く一緒に買物に行ったし、仮縫いに我が家に良く来ていた。
数年前にリュウマチを患ってから(幸いにも回復したが)余り出歩かなくなってしまったから、連れ立ってバーゲンやら買物に行く機会はすっかり途絶えてしまったのである。
一昨日は何年ぶりかに一緒に出掛けて、元気な頃の姉を思い出して切なくなったのだが、いつまでも元気で長生きしてもらう為にも、たまに一緒にデパート歩きをしようと思う。
写真はお店の前でC子姉と幼い私。

私1歳。姉14歳