a-dollのブログ

忘れたくない日々のあれこれの記録

懐かしい家

娘がグーグルの航空写真を送ってくれた。
私の実家の周辺である。
写真で見ると2年程前に壊してしまった家なのに、まだちゃんと建っていて、植木屋が入っていなかった所為で、樹木がこんもりと茂っている。
朱塗りの橋を渡って、お宮さんの横を通って少し回って行くと、私達が育った家が有った。
お宮さんも、道もそのままで、お隣の大きなお家は更地になっていて、前は駐車場になっている。
道の途中に大きな榎があって、夏は涼しい陰を作ってくれていたが、どうも伐採されたようで写ってない。
数年前、私達に無断で、兄は家を壊してしまった。事後承諾であった。
私は荒れ果てた家を見たくも無かったので、しょうがないな…と思ったのだが、妹なんかは「無断で壊してしまった」と泣いて怒っていた。
両親が亡くなって、相続をしたのは兄だけれど、手入れもせず荒れ放題になっていた。
或る時「釜の下の灰までわしのもんや」と言ったとか言わんかったとか…で、私達は家に寄り付けなくなって悲しかった。
今日は危うく幻になっていた家が、航空写真に残っていてすごく嬉しかった。
いつまでも昔の風景が残る訳はなく、変わっていて当たり前なのだけれど、故郷の廃家は航空写真で見る限り、私の瞼に有る昔のままの懐かしい家である。